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【会計事務所の譲渡】知り合いの税理士と相対で交渉、最後の詰めを依頼される。

更新日:

数年前のセミナーに参加した先生、自己流で話をまとめたつもりだが、相手が納得しないと悩みを訴える。
訊いてみると、最重要項目である承継に関わる金銭については、双方判断せず、詰めの段階ではなかった。
ただ、顧問先を引き受けると共に、職員の雇用も継続すると基本的なことだけは、話はついていた。

事務所譲渡は「営業権の譲渡」?

そこで、譲る先生から、事務所の売り上げなど経営に関する資料を提供してもらい、事務所を総合評価。
この評価を見た譲り渡す先生は、少し不満げだったが、引き受ける先生は、想像していた通りだと満足。
ここで、営業権の譲渡という意見が出されたが、残念ながら当局は士業には営業権は認めないと説明した。
これには、譲り渡す先生はビックリした顔になり、それでは一時所得ですね、と念を押された。

一身専属の士業に営業権なし

それも違い、雑所得の判定。昭和42年の広島国税局から国税庁への問い合わせの回答が、まだ生きている。
これまでにも、数件の裁判でこの判断が追認され、一身専属の士業に営業権はないから、対価は雑所得。
雑所得になることを知った先生は、仕事を辞めずに、しばらくは引き取られた事務所で顧問になることに。
もちろん、所長の座は相手の先生に明け渡すわけだから、気分的には抵抗があるに違いない。
しかし、対価と共に給与の額も支援室から提案したが、これには双方異論はなく、承継時期も決定した。

まとめ

このように、相対で話を詰め、最終の契約だけを依頼されることはあるが、今後はさらに増える可能性大。
だだし、話が片方に片寄っている場合には、真ん中に戻すのが、我々の仕事だと考えて対応します。

  • この記事を書いた人

大滝二三男

事業承継・M&A支援室長

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