高齢の税理士が主宰する後継者がいない事務所では、従業員が承継対策に余念がないのもうなずける。
所長は仕事を辞めることはできても、家族を抱えた中年の職員には、次なる職場はそうあるものではない。
あったとしても、若手と同じように新たな担当を与えられるような職場はほとんどないのが常識。
しかも、業界自体が狭いから移った先はすぐに分かりどんな仕事をしているかも知れてしまう。
これが東京であればそうそう漏れてこないが、地方都市ではそうは行かず、直ぐにも伝わってくる。
周囲に伝わる移籍先
引き受けた税理士が地元の金融機関に挨拶に行った際に、職員の移籍先を告げられた例もある。
この事例では、辞めた理由が友人の会社の経理を手伝うということだったが、結果は持ち逃げ。
引き受け手は元職員を告発すると息込んだが、時間とお金を考えた時に割に合わないことを知り、断念。
結果、譲り手の事務所の評価は下がり、引退税理士の手取は大幅にダウンし、後の祭り。
まとめ
早く事業承継を進め、職員にも現状維持を理解させておけば、面倒なことはしなかったはず。
所長の腹が決まっていれば、少々のいざこざも対応できるのだが、これは税理士の性格もあるようだ。
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