後継者を探す所長税理士が、30代後半から40代前半の独立間もない若手税理士に、技量や相性次第で所長の席を譲る、だから少々の我慢をして、しばらく事務所で働いてほしい、と要求。
しかし、後継者候補としては、自分の事務所を閉め、高齢の税理士の下で再び勤務税理士に戻るというのはリスクが大きい。
せめて後継者にするとの保証が最低限必要。
だが、お眼鏡にかなうかいなかの見極めにはそれなりの時間がかかる。
つまり元々無理な話。
支部長に頼むも…
結局、開業間もない若手をリクルートすることを諦め、他の事務所に勤務する若手に的を絞ることに。
友人・知人の税理士に声を掛け続けてきたが、反応はほとんどなく、最後に依頼したのが、税理士会の支部長。
古くから支部の税理士が死亡したときに、相互扶助の習慣から、承継者候補を決め、交渉に動いた。
ところが、交渉というのは名ばかりで、支部長が、勝手に承継方法などを決め、その他言う通りにしろと。
このような事例はほとんどないだけに、依頼者から報告を聞き、そんな馬鹿なと思わず言ってしまった。
まとめ
最終的に、この承継案件は不調になり、相談者はお客さんをバラバラに知人の税理士数人に紹介。
すべての顧問先の行先が決まった段階で、幸い職員も他の事務所に移籍し、長年の事務所経営に終止符!
この事例、いかにも立地条件が悪く誰もが手を挙げられる状況ではなかった。今後も起こりうる事例だ。