先週、職員50人を超える税理士法人のオーナーから、悲痛な電話が来た。
創業15年にして10数名の個人事務所から、税理士法人制度誕生と同時に法人なり。
相続税大増税で相続コンサルにも進出し、事業は飛躍的に発展、職員も50人を超えた。
順調に事業が伸び、組織も拡大したが、ここに来て、税理士の独立等で人材が流出。
資格のない職員も、業界特有の"3年転職"で、折角仕事に慣れたところで、グッドバイ。
その補充をしようと、人材紹介業者を頼るが業務に堪えられる人材はさっぱり来ない。
それでも、何時かは来るだろうと首を長くして待っているが、紹介も少なくなればかり。
業界にも慣れた若者を手に入れる効果的な方法を考えた結果、M&Aに的を当てることに。
成長段階で、事業承継により職員も引き受けた経験があったので、これしかない結論。
期待される人材にはなかなか会えない
だが、事業を引き渡す事務所に、期待される人材がいるかと言えば、答えはノーだろう。
多くの場合、辞めようと決めた税理士の事務所には、覇気のある職員はまずいない。
若い人材か欲しいのであれば、若い社員税理士が経営する事務所との統合だろう。
曰く、「いい人材は来ないから、事務所を買うしかないだろう」。
しかし、元気のいい事務所が、売りに出ることはないし、若い人も期待はできない。
まとめ
事務所の譲渡をしないのであれば、人がやることをAIなどに肩代わりさせ、人手が掛かる業務を減らすしかないだろう。
今や、これこそ税理士事務所にとっては、喫緊の課題だろうし、勝ち組への早道だろう。