税理士と顧問先の関係は、家族の歴史も知り尽くす町のかかりつけ医と患者の関係、と言えば良いだろう。
なかには、顧問先の社長が税理士の子弟の名付親だったり、仲人だったりすることもある。
社長が息子に「税理士は変えるな」
そんな関係から、顧問先の代替わりでも、親が息子に事業を知り尽くした税理士は変えぬよう″遺言″。
顧問税理士の指導があったから、会社が発展し、社長の家族も豊かな生活をすることができたと感謝する。
そんな顧問先がいるなかで、後継者のいない税理士は引退の時を迎え、仲介業者に後継者紹介を依頼した。
すでに事務所を構えた税理士は、後継者として事務所に入るには、あまりに障害が多く、候補者も皆無。
税理士法人化を選択
お客さんだけを渡すことには、先生としても抵抗があり、職員も雇用し経営が安定した税理士法人を選定。
先生が賃貸していた事務所に、法人の支店を設立し、所長の交代でお客さんが離れないようにした。
しかし、事務所を引き継いだから早目に引退すると言う所長もいるが、すぐに事務所を去るのは、ご法度。
可能な限り支店の顧問として、お客さんを守ってもらいたいと願う、引き継ぎ手も少なくない。
事務所の歴史は先生の歴史であり、顧問先の歴史で、事業は引き継げても、人の心は簡単には承継できず。
まとめ
所長にはなるべく長く、事務所に顔を出してもらい、お客さんを安心させてもらいたい。
だから、そんなに早く辞めたい何て言わないで下さい。お客さんを放り出すのは約束違反ですよ。