事業承継の仲介を始めて、この10月で満14年になり、無事契約を終えた案件も180件を超えた。
その一方で、相談はされたものの、具体的な動きまで行かないままになっている案件も相当数ある。
健康面の不安で相談に来たが……
当然、年齢や健康問題で、一時的に不安を感じ、どんな事情で辞めるのかなど現実を知ろうというわけだ。
なかには、見るからに体がきつく、日々の仕事に支障を来していると思われる先生が相談に来た例もある。
話始めてすぐに、自分の事務所を引き継いでもらえる先生はいるかと、具体的な条件を提示された。
その内容を聞きながら、承継候補を頭に描き、予想される引き継ぎ条件などを答え、再度の相談を約束。
その後、当支援室との仲介契約の書類が届かず、仲介業務は宙に浮いたままになり、それから3年が過ぎた。
所長が一言「ようやく〇〇したよ」
そんなある日、携帯に電話があり、再び承継相談がスタート、その際先生が一言、「ようやく腹落ちしたよ」。
そう、体に不調を来したが、治れば以前のようにバリバリ仕事ができるからと、決断は先送りしたと言う。
当然の躊躇、我々も先生が腹落ちしないままに話を進め、契約直前まで行きながら破談になった例もある。
今回、最初の相談から3年経って仲介を依頼された先生から、「腹落ち」との言葉が出たことで、話は決まり。事業承継の成功に向けて大きく前進した。
まとめ
腹落ちという言葉は、通常話が不調に終わった時に仲介者側から、腹落ちしていなかったのだなという言い逃れに使われる。
しかし、今回は、相談者から決断できたことを告げられる形で使われたこと、なんと初めての経験。
100%腹落ちした相談者はほとんどいないながら、契約を終えた先生にはスッキリ腹落ちしてもらいたい。