顧問先が取引先の倒産の余波で、廃業に追い込まれたというのは、よくある話。
しかし、顧問先が倒産したからといって、税理士事務所が連鎖倒産したという話は聞いたことがないだろう。
売上の大半占める顧客が契約解除
倒産はしなかったが、売上の50%近くを占めていたグループ企業の親会社が上場し、一気に契約解除。
連結決算を組むためとの理由で、親会社の顧問を務める税理士法人とグループ全企業が契約。
売上が半減した税理士事務所は、やむなく職員を減らすことで、倒産までには至らず、事務所も移転し再出発。
その一方、職員を減らすことはできても、昨年から増やすことが本当に厳しくなっている。
〝退場〟の道しかない?
事務所の規模を問わず、会計事務所の雇用環境は非常に厳しく、新卒を入れても戦力化する前に退職。
パートを求人しても、経験者のパートに出会えれば幸運。入力だけしかできない人しか確保できない。
そんなわけで、顧問先を担当している職員が退職すると、その補充はほとんど不可能に近いと言われる程。
こうなると、担当者の辞職は顧問先を減らして対応するのが、普通になるという異常事態。
顧問先を減らしても、事務所を維持できれば良いが、それができなければ、″退場″するしかない。
まとめ
実際に、今年に入り、職員の確保ができず、そのため、事務所閉鎖を前提に事業承継の仲介依頼が急増。
依頼主は規模は小さい事務所所長ほとんどだが、中規模の法人でも人材不足は深刻で、こちらも話が来る。
AIの普及で将来なくなる業種のひとつと言われているが、その前に人不足でなくなる事務所も多いかも!