事業承継を考えた時、規模は最盛期に比べて縮小しているのが普通で、承継後に若干契約を解除する顧客も出る。
コロナ禍の税理士事務所の経営状況をみると、顧客の経営を支援する各種の補助金・給付金があるものの、今回のマイナスを挽回できない顧問先もある。
やむなく廃業・倒産となる顧問先が出ており、事務所の経営は前年より後退気味。
コロナ融資を積極的に斡旋
そんな状況で、今回、経営統合契約を結ぶ事務所の話だが、2月初めから実質無利子のコロナ融資を積極的に斡旋。
同事務所では、かねてより地元の金融機関と連携を密にしていて、新たな制度がスタートする前から、斡旋作戦を決定。
積極的に新たな融資を薦め、疑心暗鬼だった社長たちも担当者の話に耳を傾けた。
同業者や地域の経営者に、会計事務所の斡旋の有無を確認すると、他の事務所の顧問先は斡旋なし。
一方で顧問先はほとんど斡旋を受け、制度がスタート直後には、数千万円の融資を確保していた。
その後のコロナ禍が深まるなかで、融資を受けた顧問先は資金的な悩みはそれほどなく、早目の斡旋を高評価。
その有り難みを他の事務所と顧問契約をしていた社長たちに話をすると、「早く言ってよ」ではないが、動き始めた。
つまり、「うちの先生、ダメだ。あなたの先生紹介してよ」と、事務所を移りたいとの紹介が急増した。
まとめ
この間、経営統合の話が進み、5月末時点の顧客数で契約する予定だが、この3ヶ月で1割近く顧客が増えた。
統合自体は来年になる予定で、さらに顧客は増えるだろうから、契約相手には喜んでもらえると笑顔で所長は話す。