定年がないことから、いつまでもできると頑張っていたが、最近は廃業する顧問先が増えてきた。
税理士として50年、共に歩んできた顧問先の社長も世代交代をやむなく、税理士を代える後継者も出てくる。
若い経営者も父親と同年代の税理士に要望を言うのは、さすがに抵抗があり、事務所を代わることになる。
しかし、顧問料が減っても、長年勤務する職員を若手職員に代えることは不可能で、高い給与が重荷になる。
業務料は減るのだが、年功序列型の給与体系を採っているのが普通だから、給料を減らせないのが実情。
ボーナス等を減らすことはことはできるものの、業務をこなす職員がサボタージュしたら、事務所は回らない。
それを見越したベテラン職員は、家族を養うための給与を下げられることには、大きな声を挙げ、反対する。
思い切ってベテランを切る決断をしても、職員が顧問先を持って出ていかれたら、元も子もない。
なかには、赤字経営、辞めたら職員の生活に大打撃を与えると、給与を自らの年金を充てている高齢の先生も。
だが、それもいつまでも続けるわけにはいかないが、赤字の事務所をそのまま引き継ぐ人もいない。
事務所を引き継ぐ税理士を見つけ、職員には給料は減るが、引き続き新しい所長の下で働くよう説得する。
それでも、ノーと言い続けるなら、所長は税理士を廃業し、事務所を閉鎖するしかないだろう。
中高年の家族持ちの男性職員にとって、高齢のの税理士の下で働き続けるリスクを覚悟する必要があるだろう。