後継者がいない事務所には、それなりの理由がある。子弟と将来の話をすると、親の後は継がないと明言。
娘に婿を取ろうと、知人を頼って監査法人に就職させたが、会計士と結ばれず、他の仕事の男性と結婚。
継がないと言っていた息子も、外資系のグローバル企業に就職し、30代前半で日本企業の倍の高給取り。
税理士を雇い、数年が経過し、適格者と判断し承継話をした途端に、引き継がずに独立するとフラれた。
後継者がいない
そんな先生から最後の手段と、承継の相談がきた。訊いてみると、経営は最盛期に比べ、落ち込んでいた。
60代後半になり、ここ数年はほとんど営業はしていないので、顧問先は廃業や代替わりで減少傾向に。
事務所を縮小しながら、業務を続けることも考えたが、歳と共に落ちぶれていくようで、我慢ができない。
そこでどうしたらいいだろうというのだが、もちろん、すぐに引退せずに業務を継続できる手立てを提案。
最盛期に次の一手を考えていれば、慌てることもなかったのだが、衰退が見えると焦りも出てくる。
まとめ
積極的な承継対策を立てるには、所長が精神的に余裕のある時に行うのが、成功の鍵ではないだろうか。
これまでの成功例で、やはり絶頂期に近いと判断し承継を決めた税理士は引退後もいい老後を送っている。