事業承継で法人の社員税理士に就任した高齢の税理士は、通常の業務から解放されるのが通例。
経営統合した法人から派遣された税理士が責任者となり、経営と実務の責任を取るから、少々暇になる。
実務は従業員がこなし、顧問先に行くのは決算の時だけという所長も少なくないのだが、信頼感はさすが。
ほとんどの顧客は、長年個人事務所を切り盛りしてきた所長を信頼し、経営統合した法人と契約を継続。
経営責任から解放された所長だからといって、長年の顧客との話も比較的気軽なものとある。
そんななかで、経営のアドバイスは実務担当者に任せ、社長さんから相続の話が増えるようになってきた。
というのも、担当者とはゆっくりと話をする時間が取れないが、所長とは今まで以上にじっくり話ができる。
所長も時間があるので、じっくり話を聞き、個人事務所時代とは比較にならないサービスも提供できる。
顧問先にとっても、新たな責任者より、長年の付き合いで、酸いも甘いも分かっている所長の方が話しやすい。
実際、ある法人の社員税理士に就任し、数年経った70年後半の税理士も、相続の案内役がもっぱらとか。
相続が発生する前の相談には、長年付き合いのある所長が最適と、顧客も安心して声をかけてくる。
その結果、この法人では相続からの収入が飛躍的に増え、所長も働き甲斐があると大活躍だという。
さて、引退を考えている先生、こんな話も事実としてお話しができますが、アドバイスはいかがですか?