税理士業務というのは、一部顧問先の言い分を飲み込んで、処理をしてしまうリスクがある。
例えば、税理士に報告する前に、売り上げを抜いてしまう”習慣”のある社長は、「すべて報告した」という。
しかも。、脱税に問われた社長は、先生の指示により、ある行為をしたと、税務当局に言い逃れを言う。
税理士さんは、初めて聞く話だが、税務当局は、税理士の指導により、脱税が行われたと認識する。
これが、単に脱漏所得が発見されて、修正申告をするように慫慂されたケースなら、しょうがないと頷く。
でも、単純な税務調査で把握された脱漏所得であるなら、修正申告で済むが脱税となると疑問符がつく。
というのも、今の時代、税理士がそんなに簡単に、脱税に加担するようなことがあるのだろうか。
もし、これらの事実が税務当局に把握され、悪質であると判断されれば、検察に告発されることもある。
告発されれば、これを受けて立つほど、税理士は”強く”はない。
しかも、納税者が「先生の話から、脱税をする形になった」と、言われてしまえば、後は検察の言うがまま。
彼らのストーリーに乗る形で、国家資格を持った先生方は、一方的に攻め立てられる。
脱税を指導した事実がなくとも、納税者が税理士の言うとおりにしたと言えば、鬼の首を取ったも同然。
検察はグイグイと攻め立てる。税理士だ脱税を指導したという証拠がなくとも、”証言”が協力は”証拠”。
公務員や国家試験をが合格した人は、論理的に攻められると、”落ちる”のが早いという。
それなりのプライドを持った人たちだから、そのプライドを攻め立てられると、やってなくとも”ご免なさい”
謝っちゃた方が、ややこしい時間に攻め立てられるよりましとばかりに、彼らのストーリーに乗ってします。
その結果は、国家資格のはく奪となるので、飯の種を無理やり、持っていかれてしまう。
こんな事例が、当支援室の情報網にかかってきた。
税務調査は無事通過したものの、その後マルサが入り、いつの間にか、税理士が脱税の”主役”に。
顧問先の社長は自らの罪を軽くするために、「税理士の指導」を前面に押し出し、先生は無視。
あっけにとられる税理士を横目に、さっさと修正申告の応じ、”脱税”の事実を”反省”。
脱税指導をしたと思いもしない税理士は、唖然として、検察の言い分に抵抗するも、彼らには勝てない。
事実、敗訴である。執行猶予つきで、数年後には税理士に復帰したが、いまだに腹の虫は収まらない。
こんな例は、実は沢山あるという。脱税社長は経営は順調だから、税理士の身の上など考えもしない。
こんな社長ほど、顧問料を安くしろなどと平気で口にするという。
なるほど、日本の社長さんたちは、知的労働に払う報酬には、その財布の口は実に固い。
でも、自らが罪から逃れようとする姿勢は、だれよりも強いという。
それだけに、税理士さん、顧客対策を含め、リスク管理には相当厳しく対応すべき時に来ているようだ。
事業承継支援室長
大滝二三男
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