昨日うれしい連絡が入りました。
当支援室が事業承継するに当たり、特にチェックするのが名義借り。
昨年のこの時期にある地方の事務所から連絡がありました。
それによると、税理士である父親が4年前に他界。その後、息子さんが名義を借りて事務所を運営。
しかし、息子さんも70歳に近いということもあり、事務所を辞めたいという話。
そこで、お話したのが、30年以上お付き合いのあるお客さんを突き放すのは、いかがなものかと。
お客さんたちに新しい税理士を探させるのは、無責任ではないか。
当然名義借り状態では、脱法行為となるので、すべてのお客さんを引き連れて法人に移ったらと提案。
若い先生の下で仕事をするのはつらいということだったが、たまたま紹介した先生が同じ地域の出身者。
両者が会った時にすぐに意気投合し、法人のの職員として、今まで通りの業務を行うことで了承。
法人入り後の情報は経営者である税理士さんから、折に触れ報告され、順調そのもの。
高齢者の経験が若い職員たちにもいい影響となり、飲み会などにも出席し、和やかな仕事ぶり。
そんな状態で1年が過ぎ、なんと一件もお客さんが離れず、見事に法人のお客さんとして定着。
法人の代表者からも「本当にありがたいことです」、との電話。
税理士である親が無くなり、名義借りでお茶を濁しているケースが多く見受けられる。
しかし、血のつながった方がその事務所に勤務し続けている場合には、お客さんは離れない。
しかも、息子さんなどが適格な業務を行っていれば、先生との付き合いの継続ともお客さんは考える。
とはいうものの、親父さんお下で働いていた人が、他人の税理士の下で再出発するのは難しい。
なかには、途中で辞めて行く息子さんたちもいるが、そうなるとお客も離れることがある。
今回のケースは大成功の事例。自らもサラリーマン生活10年の経験が、生きている良い事例だ。
定年年齢を過ぎた今、名義借りを辞め、元気に若い職員たちと業務を楽しんでいる姿に乾杯!!
事業承継支援室長
大滝二三男