税理士事務所に勤めていた人にとって、税務申告書を作成するのは簡単な作業。
お客さんには会計事務所の担当者が税理士かどうかは、わかりません。
日頃の話は、「先生、今月はきつかった。赤字だよ」といったものでしょうか。
でも、税理士事務所の職員は税理士でないことがほとんど。
それでも、関与先の社長は担当者に「先生」と話しかけます。
これが、実はニセ税理士を世にはばからせる、一つの要素です。
いまから、20数年前でしょうか。
国税OB の税理士と懇意であった元税理士事務所職員の話です。
この人の実兄が国税局で出世し、その関係で国税局の幹部とも付き合いがあった。
それをいいことに、税理士事務所を首になった後も、顧問先の決算や申告を行っていた。
判子を捺していたのは国税OB で、被害に遭ったのは、そのOBが署長をしていた納税者。
税金の面では、OB税理士の顔で余分な税金は抑えられたのだが、
その元税理士事務所の職員は、飲食費などの交際費をすべて払わせていた。
払わせた方もそうだが、払った方もいかがなものか。
税務署の元署長、現役の時も日頃から””いい付き合い”をしていた。
そのため、元税務署長の税理士も、事務所担当者に”文句”を言えず。
実は、元税理士事務所の職員の作成していた申告書は、3年間まるで同じ内容の申告書。
後からそれが分かったOB税理士の言うことには、「あいつ、3年間も同じ申告書を出していたんだ」
「おいおい、待てよ。あなたが判子をしたんでしょう。」まるで、このOB税理士は罪の意識なし。
税務署長を最後に退官し、顧客を斡旋してもらった税理士が、実はニセ税理士の片棒を。
今から、訴追することは不可能だが、ニセ税理士を追放できるかどうかは、税務署次第。
メクラ判を捺している税理士の多くが、実はOB税理士ということを知っているはず。
でも、弊社ではこのような税理士を紹介してほしいという声には、すべて拒否しています。
遵法でなければ、税理士の先生方を守ることはできません。
ニセ税理士が逮捕されたというニュースに、当然でしょうと言うのが、当支援室のコメント。
お父さんを亡くし、税理士のいないままに税理士事務所(会計事務所)を続けている皆さん!!
精神的にもきついでしょう。税理士法の束縛を自らを開放し、身軽になることをお勧めします。
事業承継支援室長
大滝二三男