インターネットで「記帳代行」を検索すると、かなりの数ヒットする。
もちろん、税理士だ社長で、企業名に税理士と全く関係のない名前を使っている企業も多いだろう。
しかし、税理士とは一切関係なく、記帳代行を行っている企業の方が多いのではないだろうか。
先日、正体不明の企業の社長と話をしていたら、実は記帳代行会社の経営者であるkとが判明。
早速、税務申告について聞いてみると、「税理士の判を押してもらっている」と言う。
会計システムも税理士事務所が使用している機材、ソフトだから当然税務申告書も作成できる。
「申告書の作成が出来なければ、お客さんはついてきませんよ」とハッキリしたもの。
税務調査などは、”顧問”の税理士に担当してもらうが、その企業の担当者も臨席する。
そうでないと詳細については税理士は説明できないので、当然の業務となる。
これって、税理士の名義貸しであり、名義借り、そのものだが、なんら税務当局のチェックはないという。
税務代行会社の経営者の多くが、税理士事務所経験者で、税務調査を得意とする人もいる。
別の代行会社の社長は、税務職員は取り扱いを知らない人もいるので、調査で遣り込める時もある。
税務調査官より、税法を知っており、チェックポイントにも長けているので、そんな事態も生じるという。
ニセ税理士の温床かもしれないと言われている記帳代行会社だが、顧問の税理士はそれでいいのか。
西日本のある大手記帳代行会社の社長の話では、顧問は同社の出身で、最近は生意気になったという。
そこで、自社で税理士をし育てるため、科目合格者を雇い、試験勉強を積極的に支援。
試験に合格した折には、社内税理士として申告書の署名をさせるという計画。
それが上手くいかなかったら、娘を大学院に行かせ、結果、資格所取得。
今や親子で順風満帆の税理士事務所と会計法人を経営。資格があるから、何も言えません。過去のことも。
でも、このような記帳代行会社が流行るということは、悪いことではないのかもしれない。
資格の上に安住し、営業努力もすることなく、受け身で仕事が続けられる。うらやましい限りだが、、
果たして、これからはどうなるだろう。記帳代行会社はますます増え、大きくなるだろう。
その時、税理士事務所は生きていけるのだろうか。
大手税理士法人のよう寡占化も現実問題となっているし、中規模税理士事務所は成長が止まる。
その上に安い記帳代行会社の登場。資格だけで守られる時代は確実に過去のものになりつつある。
事業承継支援室長
大滝二三男
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