最近の脱税事件で、企業が脱税を行っていたのを知りながら、顧問である税理士が、その指導を行わず、自らも脱税幇助を行っていたという報道がなされている。
果たして、その税理士が本当に脱税幇助をしていたのだろうか、疑問が残る。
新聞記者にしてみると、企業の脱税と一緒に、その顧問である国家試験をクリアした税理士が、積極的に脱税を指導していたと書くことができれば、”読まれる”記事を書いたと、金一封ものだろう。
しかし、マスコミは発表(リーク)記事を得意とするし、脱税事件は、当局がリークしない限るその事実を把握することはほとんどできない。そうなると、どうしても、当局の見方から記事を仕立てるはず。
特に、税理士と顧客の関係に関しては、どのようなやり取りがあったかなどといった情報は、裁判になって初めて表に出てくるものだから、経営者と税理士が共謀してなどと書くこと自体、”発表”そのもの。
そんな場合、税理士はその事実を知らなかったり、例えば土地の売買などの大金が動いた時には、税理士は必ずその資金出所を聞き出すはず。脱税に関与したら、資格を取り上げられてしまうので、そんな馬鹿なことはしない。
もちろん例外もある。脱漏金額が少額なケースでは、税理士も目をつぶるだろう。後で修正申告をするつもりで申告書に判を押すのはよくあること。でも、マルサに追われるような事件にはきっちり対応するのが普通。
普通じゃないから、事件であり、当局がガさ入れをし、検察庁に告発するのでないかと、記者さんは反論するだろうが、もちろん手の内は当局からのリーク情報のみ。告発された側からの記事は、雑誌しか書かない。
だからといってはなんですが、当局が告発した事件でも100%、当局が正しいとは言いきれません。よく大企業の脱漏所得が数百億円といったニュースが流れるが、多くの場合「見解の相違!」で事が済んでしまう。
大企業の場合、裁判などに無駄な時間を費やしたくないので、修正申告でジ・エンド。この場合、顧問である税理士(多くの場合国税OBがでーんと座っているが、)が処分されたという話はほとんど聞かない。
そうなると、税理士の懲戒処分などは官報に載るが、これらの人の”抗弁”はどの程度行われているのだろうか。自己の脱税で処分の期間を1年とされた先生がいたが、当局との”交渉”はいかばかりだったのだろう。
法律を解釈する限り、処分をされる前に”廃業し”、裁判などで禁固以上の刑が科された場合には、その刑が終了してから3~5年で、改めて税理士資格の申請をすることができるとなっているのだが、
例えば、自己破産の場合、税理士として自己破産した場合には、その後自己破産から復帰しても、再度資格者として登録はできないというが、自己破産する前に廃業してしまえば、復帰は3年程度で可能という話もある。
果たして、この年限は実際にはどの程度の期間で復帰できているのだろうか。ご存知の方はどうか教えていただきたい。10年も、20年も係るのであれば、復帰をあきらめ、お客さんを他の先生に紹介することも可能。
でも、3~5年であれば、その間、どなたかに事務所経営をお願いし、自身は事務員として働き、顧客の離反を防ぐよう努力することもできようというもの。現実に、家族に資格者がいれば、こんなことは簡単に処理できる。
さらに、なにかの間違いで脱税ほう助の判断がなされてしまい、税理士として何ら身に覚えはないが、と右京区がそう認識し、その”誤解”が解けないまま、処分に甘んじなければならない人には助け舟も必要だ。
もちろん、自らがそんな脱税企業のオーナーの話を真に受けて、過少申告や過大な欠損金を計上したのでは、その判断の甘さは反省するしかない。しかし、復帰の可能性があるのであれば、一日も早く復帰したいのも事実。
このような事例で、当支援室で事業承継のお助けを依頼されたケースがあるが、その時は先生が高齢で、復帰まで時間が足りないということで、適切な事務所を紹介したことがあった。
復帰できるのであれば、応援しましょう。当支援室でも、どんな方法があるのか探していますので、情報をお持ちの方どうかご連絡ください。
事業承継支援室長
大滝二三男
事業承継のご相談は無料です。お気軽にご連絡ください。
フリーダイヤル 0120800058 e-mail fumio-o@np-net.co.jp