税理士事務所の営業といえば、ほとんど所長の仕事。
どこの事務所でも所長が営業活動をしない限り、事務所の規模は”現状維持”か、衰退の道に。
そして、多くの所長さんたちが、職員が営業し、顧客を確保することを期待している。
しかし、おおむね職員は動かない。営業活動をしない。いや、できないのが実情。
顧問先の社長と会って、世間話をする中で、紹介を受けるような行動が、職員には許されない。
やはり、顧問先の職員との実務上の話が、彼らのの仕事だから、どうしても他社の紹介などの話にはならない。
ある事務所では、必ず顧問先の社長に挨拶するように指導しているが、業績のいい企業ほど会えない。
企業経営者にとって、決算・納税時期を除けば、税理士事務所との接遇は担当者任せで十分。
もちろん、経営状況などを詳しく数字の上から指摘する事務所であれば、社長の態度も変わるが、そうではない。
したがって、職員(勤務税理士を含め)に営業の効果を期待するのはかなり難しい。
所長が社長に面談する際に、やんわりと紹介話をする程度が相場。
その一方で、営業専門の担当者を設けて、拡大を続けている事務所も増えている。
とは言っても、普通の事務所は、職員が顧客を獲得した場合には、インセンティブをつけるのが一般的。
その金額で大きな違いがあるが、中には獲得してきた顧客の顧問料の10%を毎月支給するところもある。
この場合、顧問契約が継続して限り支給されるので、コツコツ増やしていけば相当の収入になる。
もちろん、甘い話ばかりでなく、この顧問料が未収になれば、その支給済みの10%は返金する制度。
したがって、日々の業務も適切に行わなければ、顧問先からも見放されることになり、責任も重くなる。
所長さんにとっては、実に良いシステム。しかし、ここまで払う所長さんは少ないのが実情。
顧問先を獲得したひと月限り、それも数%のインセンティブが普通なので、職員の腰も重くなる傾向に。
したがって、所長の需要な仕事が顧問先の営業になる。
そして、営業ができなくなって数年経つと、事務所は衰退傾向に。さらに、職員が辞めて規模の縮小。
こんな経路で、事務所の閉鎖への道が進む。このような例では、後継者の育成などはできたていない。
このような事務所の所長さんたちから、多くの事業承継の相談を受けているわけです。
事業承継支援室長
大滝二三男
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