昨日は、事業承継をスタートさせて、3か月後に旅立った税理士さんのことをお伝えしました。
今回のケースではありませんが、昨年暮れに承継された先生からご相談がありました。
昨日と同じように承継後1年も経たずに、委譲された先生が死亡されたとのこと。
引き継いだのが税理士法人でしたので、委譲された先生はその法人の顧問となり、週に3度ほど出勤。
元気に仕事をされていたようですが、昨年秋に急死されました。享年は80歳でした。
弊社が仲介をする際に、承継後1年経過した時点で、事務所の再評価をします。
これにより、委譲された先生への対価が確定します。
1年を経過しない時点で先生が死亡された場合、再評価をした際に支払うべき対価が残ることがあります。
この残金は「相続人に支払う」との条項がありますので、今回も先生の遺族へ支払うこととなりました。
ところが、死亡された先生はご家族に、事務所を譲られたことを話されていませんでした。
そこで、相談です。「もし、遺族の方が訳の分からない方だったら、仲介していただけますか」という相談。
もちろん、当事業承継支援室は「最後まで面倒をみます」が前提ですから、当然答えは「イエス!」
その後、遺族との話し合いが終わり、承継された先生から明るい連絡が入りました。
「思ってもいないお金です。ありがとうございました」と遺族から感謝の言葉をいただいたとのこと。
「当然、支払うべきものでしたが、何も問題なく、感謝され、私も感激しました」。電話の声も弾んでいました。
当支援室では、万が一を考えて契約書の作成をお手伝いしていますが、こんな時に威力を発揮します。
こんなことはないに越したことはありませんが、でも起きた時にも、安心できる対策の必要性を痛感した次第。
事務所を委譲し、長年付き添ってくれた奥さんと、仕事の考えずにのんびり旅行を楽しむこと。
そんなことを考えての委譲ですが、人生なかなかうまくいかないものですね。思ったら吉日かもしれません。
事業承継支援室長
大滝二三男