デフレ宣言が出ましたが、景気は上向きにはなりませんね。そういえば、アラカン家庭では新たな大きな買い物をするきもありませんし、できません。それだけ充足された生活が、今は維持できているということかもしれません。
でも、先日も後数日で定年になるという取引先の担当者がいらっしゃいましたが、65歳までの雇用延長、給与は4割カットですが、働く先が確保できただけでもありがたいと言っていました。確かに年金だけでは生活できませんからね。
年金は今の70歳以上の方よりかなりカットされているが、年金が支給されるし、これまでと同じ職場で仕事ができるという将来が約束されては大企業ならのこと。その大企業自体が明日をも知れない状況だとか、いやはや。
一方、中小零細企業の税務・会計を預かる税理士事務所の経営も大変です。将来性を見出したくても、顧問先の財布が小さくなる一方なので、先生の財布の口も閉まり、その結果、職員の待遇もよくなる見通しは余りありません。
労働集約型の職場なので、同じ仕事をしていても、効率をいかに上げていっても限界があり、そこから上がる収益は限界にいくと、そこからは上はほとんどありません。それでも給与をあげなければならない年功序列の壁はしっかり。
30年以上勤めて、その30年前と同じ仕事をしていて、給与は2倍とか3倍とか、これではやはり、経営は楽ではありませんよね。とはいうものの、経営者の収益が十分約束されていた時はそれでもよかったのですが。
今は顧問先を失うより、顧問料を引き下げて、お客さんを確保しようという後ろ向きの経営もいたし方ないようです。またいい時代になってくるだろうから、そのときまたあげてもらおうという楽観的に考えるしかないのかもしれません。
でも、これからの税理士事務所経営は個人の能力だけでやっていく時代ではないと思います。しかも税務だけ、納税をするための助力であり続けることはできない時代になっています。経営に関する正当な助言ができるかどうかがポイント。
なかなか難しい時代を迎えていますが、60歳以上の人間にとっては、幼きころものがなかった時代を経験し、青年期には高度経済成長な波に乗り、家を建て、あるいはマンションを購入し、バブルそしてデフレなかで子育てを経験。
こんなすばらしい人生を経験できている、つまり、成長、繁栄、絶頂、そして没落を経験できていること自体は貴重な体験かもしれない。それに対して子供のときにバブル、そして青年期は失われた10年、デフレ、今の若者たちの希望は?
その若者たちの生活を支えている会計事務所の所長さんの厳しい現実に敬意を表するとともに、どうにかその若者たちが働く職場が広くなるよう、一般企業の経営への強烈なアドバイスをぜひお願いします。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。