税理士事務所の事業承継のご相談で、昨日も「承継者から受け取る金額の取り扱いは?」と質問されました。
現状では、国税当局の判断は、税理士の業務は一身専属だから、のれん代は認められません。
したがって、「雑所得」の扱いになります、と答えたものの、やはり腑に落ちません。
お相手は税のプロですから、素人の私が答えても説得力はありません。でも、当局の判断は40年前のもの。
昨年も国税不服審判所の採決で、同様の判断がなされましたが、これも40年前の通達に沿った判断。
でも、この採決のバックグランドは、譲り渡す税理士の事務所に勤務していた税理士への顧客の譲渡。
弊社が行っている仲介では、その多くが税理士法人が承継先となり、先生も社員税理士として勤務する形。
なおかつ、職員もほぼ全員そのまま勤務し、事務所の備品等もそのままの事業形態で承継するもの。
”一身専属”の先生が、そのまま税理士法人に移籍し、経営権をすべて渡す形になっている。
これが事業譲渡ではないですか?というのが、昨日の先生の結論。
税務当局は「たまたま引継ぎがうまくいくように、先生も勤務する形になっているのではないですか?」となる。
しかし、単純に引継ぎのためだけに、承継先が無限連帯責任を負う社員税理士として処遇するだろうか?
事業全体として、譲り渡す側の先生や、職員への顧客からの信頼も、同時に継続する必要があるわけ。
事業の継続性を考えたとき、このような形ができてくるわけで、先生から紹介されたという単純な形ではない。
今はこのような形の事業承継が主流であり、今後も事業の継続を考える時のベターな手法である。
引退する先生の、税理士としての職務は、全責任を負う形から、責任の一部を負う、気軽になる手法だ。
そのためにも、すべてが「雑所得」との判断には、課題が残るが、どうだろう?
事業承継支援室長
大滝二三男
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