先週の土曜日、税理士業務をお譲りになった事務所に、承継した先生と伺いました。
顧客データや資料等を引き継ぐ作業に立ち会うため、承継された先生の依頼により、同行しました。
これまで80件以上の案件をお手伝いしていますが、書類等を運び出す作業に立ち会うのは初めて。
申告書のコピーなど実際の資料を、職員の方々が書庫から運び出す作業を見ていました。
そこには両先生も立ち会しましたが、やはり譲り渡す先生の顔を直視することはできません。
高齢で、今や一歩も家から出ないという先生の足取りはややおぼつかつきません。
それでも、承継する側の職員さんたちがてきぱきと、書類等を運搬するときには、その間に身を置くことも。
もくもくと運び出す作業が2時間ほどで終わり、いざ挨拶となると、承継する先生も小声になる。
新しい顧問先を手に入れるわけだが、やはり先輩の先生の気持ちを察すると、”元気”は出ない。
もちろん、今後も資料等を精査し、もうまじかの確定申告に備えなければならない。
当然、譲り渡した先生との情報交換もこれから必要になるが、一先ず物理的な引継ぎは就労した。
職員の方も移籍するので、今後の業務にはそれほど負担はないが、不安は残る。
こんな引継ぎ業務を行いながら多くの承継作業が進んでいく。
その現場を見て、心新たにした。
そう、譲り渡す先生に対するちょっとした心のケアが必要であることを、改めて感じた一日でした。
事業承継支援室長
大滝二三男