日本国内で資産を増やしていこうなんて、もう無理。
なにせ、日本の預金利子で、今ある資産を倍にするには、2000年かかる計算とか。
10年以上も続くデフレに、日本企業は海外に活路を見出しているが、強烈な円高で、これまたアウト。
消費税が10%になれば、元気な企業のほとんどが、海外に出ていくことは”常識”であろう。
そんな中で、先週、香港に行って、現地で働く日本人会計人に元気をもらいました。
10数年前に30代前半で、日本を飛び出した日本人公認会計士が、今やアジア各国に20拠点を経営者に。
その顧問先数は1300社。日本企業のアジア進出をバックアップ。
たった一人で始めた会計事務所も今や、日本からの会計人たちのコンサルティングも行う、企業に成長。
同じく10数年前に上海に出た公認会計士事務所と競っている姿は、非常に頼もしい限り。
やはり、日本企業の相談相手として、企業のバックアップは日本以上。
製造業ばかりか、あらゆるサービス業が東南アジアに進出する中、会計事務所の重要度は高まるばかり。
なかでもベトナムでは、価格競争が起こるほど、競争も激化しているという。
国内で”のほほんと”している会計人には、爪の垢でも飲まさなけれがいけないとも感じた次第。
こんな人がなんとぞろぞろ出てきた。
金融サービスを展開する40代前半の紳士は、日本人をはじめ中国人などアジア人160人余りの職員を持つ企業の経営者。
元証券マンで、回転手数料ビジネスに業を煮やし、香港で金融アドバイザーとして今や預かり金融資産は4000億円。
資産運用ビジネスの手数料は預かり額の0.1%でも、160人を超える企業を経営できるという。
もちろん自身の年間収入も億単位。日本にいては、顧客に喜んでもらうことは不可能とも断言。
こんな例が山ほど、香港にはある。そして、経済成長な真っ只中の東アジアでは、優秀な人材を求めている。
財務会計に通じた公認会計士で、熱いビジネスをしたいという人は、どしどしアジアに出ていくべきだと感じた。
若さがあれば、言葉の壁などくそくらえ。生きていく上にはどうしても必要だから早いうちに身に着くはず。
監査法人がリストラや不正な監査をしたなんて、こまい話とはおさらばして、4時間ほど飛行機に乗ったらどうか。
数年後には、日本人のお客さんに喜んでもらえる資産管理事務所を作れるだろうし、本人の未来は明るい。
華僑ならぬ”和僑”という組織もあるので、そこを頼って行くのも、一案かもしれない。
とにかく、若く優秀な人材は、日本を救うためにも、東アジア人の中で仕事を確立してほしいものだ。
今回の視察で、強く強く感じた。
もちろん若い人とだけでなく、中高年も”荒野”ならぬ富裕層の顧客のためにも、アジア進出はどうだろう。
国内の事務所は、若い人に譲って、ご自身の資産の管理運用を兼ねて、生活の根拠を移してはどうですか?
事業承継支援室長
大滝二三男