税金が年々難解になる、一人の税理士の理解では対応できなくなっている。
よく言われることですが、結果、税理士が集まって、税理士法人を作るのでしょうか。
答えは、もちろんノーです。
経営内容を知られたくないというのが、いわゆる”士族”。
個人で業務展開ができるうちは、誰の助けも借りたくないし、経営を任せるなんてもってのほか。
税理士法人制度ができたときにも、家族で法人を作ることには賛成だが、他人とはできません。
ところが、大きく成長していたのは、カリスマ経営者が主宰する税理士法人。
もちろん、赤の他人同士が合併して、大きく市場を確保していった法人ももちろんあります。
しかし、個人事務所の経営者である税理士が集まって、税理士法人を設立した例ももちろんあります。
その経営形態は、あくまでも税理士法人と謳っているものの、実は個人経営の集合体。
独立採算で、あくまでも経営責任は、所長が一人で負うもの。無限連帯責任など、糞くらえ。
そのような状態では、法人の良さはもちろん発揮できませんし、成長もありません。
中には、税理士法人として経営ができずに分裂し、同じような名前で生き延びている法人も出てきました。
こんな混乱の中で、法人の歴史を知っている会計士が、税理士法人を組織し、伸び始めています。
公認会計士の市場であった”監査業務”が商売として、おいしい時代ではなくなってきたという現実が。
同じ顧問料を主体とする会計業務でも、会計士業界での報酬の下落は見るも無残。
のんびりと監査をしながら、夜は依頼主と高級料亭で、一杯飲みながら…なんて今は昔。
税理士に比較して、報酬の高い会計士には、現在の監査業務の報酬では、監査法人も経営は苦しい。
こうなると、会計士の”定年”は早まるばかり。40歳前半で、ハイこれまでよー。
そこで、彼らの行く先が、税理士業務。
事業承継の分野でも、税理士事務所を紹介してほしいという声も多くなっている。
すぐに実務ができるわけではないが、数年頑張れば、ほとんどの会計士が実戦に耐えられる。
それだけに、ここ数年、公認会計士からの税理士業界の参戦者は増えるばかり。
さらに、弁護士も、スポット報酬に危機感を持つことから、税務に目を向ける向きも増えている。
税務会計と法律問題に強いとなれば、中小企業経営者には心強い味方ともなる。
ただし、従来のような弁護士報酬であれば、見向きもされないだろう。
そこは経営感覚に優れた弁護士であれば、対応はばっちり。
本当に、税理士には強敵現るですね。
これから二年後には、業界はどうなっているのでしょうか。
事業承継支援室長
大滝二三男