よくある話ですが、先週もそんな相談が舞い込みました。
事務所には、税理士は所長一人で十分との考え方が、法人を除けば、一般的。
一人税理士の事務所長に、万が一のことが起こった時には、所長の家族も巻き込まれる事態になる。
それでも、税理士を雇い、所長とそりが合わず、事務所が混乱するよりまし。
そんなわけで、税理士は所長一人の事務所が、ほとんどを占める。
今回は、高齢で、自ら後継者を育成しようとして、失敗し、一人税理士になった所長さんからの相談。
遡ること3年。そろそろ引退を考え、勤務税理士2人とともに税理士法人を設立。
自分とともに長く事務所を支えてきた税理士が、定年年齢をオーバーし、病気がちもあって、自らリタイア。
そこで、所長は、3年前に入った税理士に、退職した同僚の税理士の顧問先をすべて預けることにした。
月日の経つのと比例するように、その勤務税理士は、「後継者は自分だ」と言うように。
事務職員にも、「所長も高齢だから、自分に付いていたほうが良いよ」と口説くようになった。
あまりにもあからさまに自らが後継者であることを吹聴するため、所長も我慢も限界に。
所長は、後継者となるには、それ相応の実力と上長に対する礼節を尽くすべきだと諭す。
しかし、「死ぬまで所長の面倒は見る。それで良いだろう」と言う始末で、所長に退任を迫る。
その結果、職員全員が所長の下で仕事を続けることを選択。増長した勤務税理士は追放に。
ただ、職員たちが一緒になっていたらと考えると、所長さんも背筋に冷たいものが走ったのではないだろうか。
そんな経験をした税理士さんが、職員のことを考え、次善の策を決めておきたいと相談に来たわけだ。
話し合いの結果、事業承継をせざるを得ないということで、支援室が受け皿を探すことに。
その条件の重要な点が、職員の雇用を確保すること。これは支援室のお手の物。
年内には、”お見合い”から”結婚”へ、必ずや一直線に、みなさんの平安を見つけ出すことができるでしょう。
事業承継支援室長
大滝二三男