弊社の事業承継支援室に、ご相談に来る税理士先生の平均年齢を調べてみた。
それによると、
事業承継・後継者問題に悩んでいる先生は、60~65歳が最も多いことが判明。
そろそろ事業承継を依頼しようかという先生は、69~73歳が多い。それを超えると、より具体的な話。
69歳の先生は、「そろそろ限界。女房にも70歳で辞めると言ってある」と、70歳を区切りと考えてのこと。
税理士として40年近くのキャリアがあり、高度経済成長の頃に開業、または試験に合格した方が多い。
それだけに、黙っていてもお客さんが増え、事務所も拡大。いい時代に税理士生活を経験した先生でもある。
当然、子育ても終わり、何の不自由もない、資産もそれなりに蓄えているのが、この年代の先生。
70歳以上の先生で、事業承継を依頼される人は、人生に区切りをつけたいと考えている方。
もちろん、身内に後継者のいる先生たちは、年齢に関係なく、ほぼ税理士資格を返上することはない。
息子さんに事務所経営を任せても、自身の資格はそのまま維持し、たまに税理士会に顔を出すこともある。
このような方はもちろん、弊社には相談に来ることはないが、事業承継の受け手として、担当者と顔を合わす。
80歳を超えた先生となると、家族の面倒を見るために、事務所を継続してきた先生が多い。
それも、お子さんが試験には挑戦していたが、夢果たせず、中年になり、一般の会社勤めもできない。
その結果、そのまま還暦近くまで親父さんの事務所で働いているケースが、ままある。時には孫も事務所に。
このような場合で、80代の先生から事業承継の相談は、お子さんの同意があってこそ。
実務はほとんどお子さんが担当しているので、先生が辞めたいと言っても、簡単に事は進まない。
だからこそ、80歳を超えても税理士稼業をやっていたのかもしれない。
したがって、お子さんの意思を確認して、初めて弊社の担当者が相手を探すことになる。
もちろん、80代後半の先生となると、来社されず、当方から事務所を訪ねるのが普通。
他の職員がいる場合には土日で対応するので、相談者もご家族も安心して思いを語ってもらえる。
地方都市などでは、世間が狭いので、当方では慎重には慎重に事を運ぶ。
他の先生に情報が洩れては厄介だから、お相手もその地域では選ぶことは少ない。
先生もそれを期待されている場合が多いので、相手探しもなかなか難しい。
でも、歳はいくつであっても、承継するお相手は必ず見つけられるので、先生方には安心してもらう。
今日も地方都市での相談に来ているが、百人百色。先生の要求を満足させるのは、実にハードルは高い。
事業承継支援室長
大滝二三男