事業承継のご相談は一度限りではありません。内容によっては、数年かかるものもあります。
本日のご相談は、70代の先生で、2年ぶりのものです。
前回の相談では、事業承継の相手を探してほしいのだが、まだ踏ん切りがつかないということで保留でした。
しかし今回は、体調も良くないし、顧問先の社長たちが次々と引退してしまうので、ご自身も考えたという。
「誰も引退を言ってくれる人はないし、家族も考えていない」。それがまたさびしいという。
「サラリーマンなら、定年もあるし、おのずから辞め時がくる」のに、税理士にはそれがないと、贅沢な悩み。
職員たちもご自身の体調がすぐれないことを知っていながら、淡々と業務を進めている。
言われることはよくわかるのだが、それが本当の引退の理由なのか、定かではない。
「もうマンネリの生活は嫌だ。自分だけの時間がほしい」とでも、言ってもらえればこちらも納得するのだが。
第二の人生を求めることができる方は、税理士さんには本当に少ない。
やはり、税理士として人生を全うしたいという方がほとんどだが、今回の先生はそうではないという。
結論から言えば、「もういい。終止符を打ちたい」ということで、辞める理由ははっきりせず仕舞い。
「ご家族も納得されていますよね」という最後の念押しに、「帰ったら話す」と席を立たれた。
さてさて、明日以降、先生からの連絡は来るのだろうか? 2年ぶりにしてはもう一つはっきりしませんでした。
事業承継支援室長
大滝二三男