これは本当にあった話で、裁判になっている話です。
士族のM&Aが行われるようになって、まだそれほど経っていない。
税理士の事業承継で、仲介業者が動くようになってからもここ10年。
弊社が先駆けではないが、どこよりも案件をこなしている。
冒頭の話も税理士さんからの情報で、嘘でしょうというのが、最初の印象。
仲介契約をしたときは、M&A契約金額の一桁の%を成功報酬とした。
仲介業務がスムーズにいかず、最終的には期間も相当オーバーした。
具体的な中身は詳細には分からないが、中途で契約が変更されたという。
売り手側はとにかく早く話をまとめたいということで、契約変更を了承。
M&A契約が結ばれ、最初の契約の10倍に及ぶ成功報酬の請求書がとどいた。
売り手側は譲渡代金の50%に及ぶ金額を支払ったことになる。
あまりにも高額な手数料に、「嘘でしょう」と言わざるを得ない。
最初に結んだ仲介契約を、話の途中で変更すること自体まず理解ができない。
最初の契約で、手数料の変更ができるとあれば、多少は可能だろう。
しかし、突然に手数料を10倍にすることなどは、考えられない。
それを認めること自体理解できないが、現実に認め、支払いも済ませた。
その後、一般常識からして高額過ぎると考え、裁判に訴えたようだ。
あまりにもお粗末なドタバタ劇だが、現実に裁判になっている。
こんな契約変更を行う業者がいることも、首を捻らざるを得ない。
一般的に、様々な事態を想定して、成功報酬の仲介契約を締結する。
成功報酬だから、事態が紛糾し、時間がかかっても手数料は変わらない。
減額することがあっても、増額することなどない。
売り手の利益を実現するのも、仲介業者の役目。
仲介業者だけが儲かるような事態には、誰もが納得しないはず。
裁判所は和解を勧めるだろうが、是非判決文を書いて貰いたい。
その判決が前例となり、非常識な契約が結ばれないようにすべきだ。
まず、こんな業界の常識を強引に変更する業者は、即退場して欲しい。
もっとも、この話は一般企業のM&Aであったら、あり得ない話だろう。
情けない士業の話でした。税理士事務所の話ではないことを念のため。
事業承継支援室長
大滝二三男