仕事ができるのは、年齢に関係なく、大変ありがたいことです。
自分と社会のつながりを確認するには、仕事が一番です。
会社や組織に所属するかどうかは、関係ありません。
自分なりの仕事があり、社会の一員として、その存在価値を認められるかどうか、ではないでしょうか。
組織に所属していると、必ず“定年”を迎えます。
年齢で決めているのが普通ですが、年齢に関係なく、仕事ができなくなったら“定年”という職業も。
わが税理士業界は、まさにそうではないでしょうか。
個人事務所の場合は、所長の決断次第。その職員には定年制を敷いているところはごく少数。
従って、先生が引退を決意すれば、自動的に職員も職を失うわけだ。
その先生の引退だが、今でも90歳以上で税理士登録者は全国で、298人(22年11月末現在)。
果たして、業務を行っているかどうかは定かではないが、所長として”君臨”している方はいます。
その中のお一人に会いましたが、「ズルズルと辞め時を失してしまった」というのが本音。
「いざ、事業承継しようと考えた時には、ピタッとはまる人がいませんでした。」と、なかなか難しい。
ある時点で、100点満点の人を探そうとしても、いずれも”帯に短し、たすきに長し”で満足できず。
いまは、公募に近い形で、承継者を捜しているという。承継が決れば晴れて引退。それも近いそうだ。
一般的にも、後継者を育成することは誰にも難しいようで、お子さんなどが資格を取れば、引退も簡単。
しかし、他人に自分の事務所を渡すことには、抵抗があり、年齢に関係なく、なかなか吹っ切れないという。
いずれにしても、どこかの首相のように“延命”に努力することは、顧客のためならず。
ご自身がきめる。誰も鈴を付けには来てくれません。
事業承継支援室長
大滝二三男