こんな映画がはるか昔にありましたよね。若き青年が恋をし、権威に反抗する。まさに青年の大人になる過程のお話でした。
でも、今回は数年前、弊事業承継支援室に首都圏で事業承継の斡旋を、希望された団塊の世代の税理士さんのお話です。
学歴も地元の大学を出た優秀な先生でした。それなりの実績があり、売り上げも平均以上をものがあり。なぜ経営の第一線から退くのか疑問でした。
譲り渡しを希望する先生からは、通常過去3年間の事業の収支を証明する個人の確定申告書、青色決算書などを提出していただきます。
ところがこの先生、弊社に事業承継を依頼しながら、自分の事務所の業績を証明する資料を提供することをなかなか応じませんでした。
そうこうしているなかで、その地域に支店を出したいという先生と面談することになり、やった基本的な資料を提供してきました。
ところが、その職員構成を見ると、ほとんどの職員が女性で、その事務所暦も2~3年。一人のベテラン女性職員が事務を切り盛りしていました。
ご自身は顧問先と30年近く一緒にやってきて、顧問先とも信頼が厚く、ご自身がいれば、ほとんどの顧問先は契約を継続すると豪語していました。
同氏と面談をした税理士法人の代表社員は、人の出入りが激しいことと、譲り渡し希望の先生の承継の目的が見えないことを理由に譲受を断念しました。
そのことは今となると大正解でした。というのも、その譲り渡しを希望した税理士は、断られたのは弊社の社員が能力がなかったからだと抗議する始末。
自らの情報提供や事務所管理のお粗末さは一切断りの理由になりませんとばかりに、弊社に乗り込んできましたが、こちらの反論に抵抗できず、トンズラ。
その御仁、つい最近、脱税幇助で国税局に告発され、素早く税理士資格を取り下げる早業。法律を守るべき資格者だが、弊社が見るところ、やっぱりな、というのが結論。
事業承継の仕事をする中で、堂々と資料を提供できない税理士さんには、やはり人には言えない後ろめたいことあると感じさせる事例でした。反抗するにはやはり理由がありますよね。
でもこの御仁、2,3年後にはまた税理士に復帰する可能性があるんですよね。税理士会さん、しっかりしてくださいね。
事業承継支援室長
大滝二三男