地方の税理士会支部の支部長さんからのご相談がありました。
その内容は、
1、地方の税理士の将来は?
2、後継者がいない事務所はかなりあるが、どうされるのでしょうか?
3、国税OBへの斡旋がなくなり、税理士として食っていけるのだろうか?
どれも一口ではお答えできない内容ですが、税理士事務所の将来については、数は減少することは確かです。
さらに、大型税理士法人が地方の税理士さんとの連携を深める中で、フランチャイズも増加するでしょう。
後継者にいない先生方は、これまで同様、自らが後継者にふさわしいと思う人に事務所を承継するでしょう。
でも、弊社のような事業承継を支援する組織に、助けを求める先生も着実に増えています。
支部の役員さんたちは、そのことを一番よく知っているはずです。
実は、この支部長さんの本当の狙いは、県内に事業承継できる事務所はないだっろうか、というもの。
つまり、何とか紹介してほしいというもので、多くの事業承継希望者と同じ考え。
一つだけ違うのは、後継者のいない事務所の情報をつかんでいるので、所長さんの思いを知りたいという。
もちろん、支部長名で対象となる先生方に手紙を送ることもできないので、何とか方法はないかという。
同時に、地方の支部では情報が伝わるのが早く、へまをするととんでもないことになる。
しかも、その火元が支部長ともなると、本当に示しがつかず、職権乱用との”綱紀監察”対象にもなる?
もっとも、多くの事例があるように、国税OB税理士が後継者なき事務所の 後釜に座るケースも多い。
実務は旧事務所の職員たちが長けているので、そちらはお任せ。事務所管理はお手の物とか。
そういえば、先週お会いした国税OBの新税理士さんは、「申告書など作ったことがないので、、、、」
これから一から勉強のやり直しだという。それでもできてしまうのが、資格ビジネス。
でも、このようなOB税理士は昔のように、多額の顧問料を取ることはこれからはないでしょう。
せいぜい、年金が減らされない程度の収入を確保するのに精いっぱいでしょう。
それでも、後継者なき事務所の所長の椅子を手に入れれば、立場は一変してしまう。
そんな国税OBで、数件の顧問先しか持たなかった税理士が、”悪さ”をして貴重な椅子を手に入れた話。
斡旋の制度がなくなって、こんな事例が増えるのではないかと、その支部長さんも痛し痒しの様相だった。
そういえば、これも先週、ある地方の先生から、事務所を拡大して息子に譲りたいので、紹介してほしいと。
でも、その息子さん、現在税理士試験に挑戦中。受かるかどうかも分かりません。
それでも、親は子のためにしっかりと基盤を作ってやりたいのですね。
このような後継者が決まっていない事務所には、支援室としてはご協力はできませんね。今のままでは?!
事業承継支援室長
大滝二三男