デノミ経済の中で、税理士事務所のお客さんたちは数年前より値切りに熱心になっているそうです。会計ソフトも昔に比べれば、使い勝手は飛躍的によくなっている。
これは各ソフトメーカーが利用者の意見を聞きながら、性能アップを図ってきた結果だが、一度使い勝手がよくなったものに対しては、顧客は更なる改良と、利用料金の低額化を求めている。
それでも、所帯が大きくなった会計事務所では、これ以上改良の余地はないといわれるほどシステムを入れ替えたり、システムの持っている機能を十分使えてない先生方にも問題が残る。
最近の傾向としては、高額な使用量を必要とするシステムには目を向けず、市販の安いシステムを入れるほうが得策だと考える先生方も増えてきている。承継先が文句を言わず、新しい先生方の事務所職員の雇用はしっかり守ると話す。
そんななかで、確定申告の時期を控えて、所長先生のマネジメント能力が試される時期でもある。毎年、しっかり資料を作成し、有料での税務相談は職員たちの輪番制だけに、事務所内にはまなざしのきつい人が増えているのもまた事実。
そんな厳しい環境におかれた職員に対し、先生の奥様が、事務所でどのような仕事をこなし、貢献度会いはいかにと職員に聞いてみると、その実態はほとんど見たこともない有様。果たしてこれでいいのだろうか?
実際には働いていない家族従業員を専従者として申告することは、明らかに詐欺行為であり、同時に脱税でもある。税務調査を受けた税理士が「金額の高は聞くけど、実務などはまったく訊かないよ」。これでいいんでしょうかね。
既得権益に近い専従者給与は、はっきり節税対策ではなく、脱税工作ではないでしょうかね。もちろん、しっかり働いている専従者は会計事務所の金庫番かもしれませんが、果たして、どうなんでしょうね。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。