ゴールデンウイーク本番を迎え、中国や韓国旅行へ行く人も少なくないようだ。
その中国旅行のお土産の定番といえば、お茶。
バスツアーのお決まりのコースにお茶屋さんでの試飲。次から次へと、お茶がつがれ、その効能を係の女性がたどたどしい日本語で説明する。肌がつやつやになるとか、元気が出る、さらに肝臓病にいいとか、まさにお茶も漢方薬の一種。
ちょっとのどを潤す程度と思って試飲のできる席に座ったのはいいが、セールスレディーの勧めるお茶は目が飛び出るほど高い銘柄ばかり。鉄観音など聞いたことのある銘柄でも本物は本当に高い。中国でも一般人には手が届かない代物だ。
日本人の中国ツアー客がお茶屋さんで高級茶を買わされている一方、日本に来る中国人観光客は何を土産に買っていくかと言えば、即席ラーメンと薬。それも横文字は読めないから漢字でかかれた漢方薬を買う。
漢方薬なら中国にあるだろうと思いきや、医療費が非常に高いため、医者には行かず、薬局で漢方薬を買って飲む。そのため漢方薬が品不足になっており、日本のツアーでは多くの人が土産に漢方薬を買い漁るという。
しかも、日本の漢方薬は信用大。中国人は自分の国の漢方薬をあまり信用していないが、現地では買わざるを得ない。しかし、日本に来るとなると、それなりに旅費がかかるが、この土産の漢方薬が日本の倍以上で売れる。
そのため、競って漢方薬を買いに走り、秋葉原の漢方薬局は大賑わいだ。それも箱買いするほど買い漁り、これをプレゼントするのではなく、中国で売って何と日本ツアーの代金を取り戻してしまうほどだとか。まさに転んでもただでは起きない人々だ。
原料は中国から輸入し、これを加工した製品(漢方薬)として売るわけだから、貿易大国の日本としての面目躍如と言ったところだが、まさか中国人が漢方薬を土産として大量に買っていくなどとは多くの日本人が信じていないと思う。
日本のお茶も漢方薬として彼らにアピールしたら、土産として高級茶が飛ぶように売れることになならないだろうか。それこそ、京都なら高級茶を漢方薬(土産)として売ったら、ひょっとして大ブームになるかも(筆者が知らないだけかな?)
従来は顧みられなかった良きものが、新しい観点から見直されることが多くあります。漢方薬もその一つ。事業承継によって、新しい姿が見えてくることもあり、そのお助けをするのがわれわれの仕事。今後ともお茶の試飲会ならぬ、事業承継の事例紹介セミナーを各地で開催しますので、ご期待ください。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。