大慌で伺った事務所の先生は、至って暢気に、「12月末ではないんですね。3月末まで頑張りましょう」と他人事のように答え、こちらも少々気が抜けてしまいました。でも、12月末は譲り渡しを願う先生にはいい区切りなんですよね。
顧客のことより、ご自身のことのほうが一番の関心事。こんな相談が第一位を占めているのも事実。お客様はご自分の思ったほうに行ってしまうので、すでに譲り渡しを決めた先生には、「勝手にどうぞ」くらいに醒めた対応もあります。
勝手にどうぞと言われても、経理を頼んでいる経営者にとって、税理士さんは対税務署の大事な味方。もしも税務署から何か言って来られたら、「先生にすべてを任せています」と返事をするしかないわけで、「先生勝手にしないでよ」
でも、今日この頃は税務署も職員も、人の子。無理無体を押し付けるわけではないので、社長さんたちもそんなにびくびくする必要はないのだが、税務署が来ると言っただけで、そわそわする社長も少なくないようだ。
バブルのときのように、どこを調査しても脱税に近い申告漏れの現ナマを見つけることのできた時代と、企業の75%以上が赤字申告で、取るべき税金もさっぱりないという事が普通の今は、「税務署なんて怖くない」のが普通。
ですから、来年の3月の確定申告にしても、それほどガチガチしなくても、税金を払える人はごく少数。申告すべき所得がなければ、確定申告もない人も多くなるので、来年の確定申告時期は、税務職員あまりが顕著になるかも。
そんなことを考えるのも、師走がすぐそこまで来ているからか。事業承継も12月末で契約する人も多いが、なぜか今年は来年の3月末で事業承継を終える先生方がが北から南まで点在しています。
やっぱり、ある一定以上の年数、経営を続けてこられた先生には、1年間で最も忙しい確定申告時期は「もういいや」となっているような気がします。でも、これからは損害賠償事件なども増えてきますので、そう簡単にはいきません。
ひょっとすると、相続税申告事案の見直して、稼いでいる税理士さんたちが、確定申告の見直しと大声でセールスをする時代にるかも知れません。そのときに備えて、申告書のチェックをこの師走に十分時間をかけて処理してくださいね。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。