そうなんです。相続税の大幅な増税により、相続関係の業務が大幅に増えます。
ですから、税理士業界の方々は、大幅増税に”大声で”反対を叫ぶ人は出てきません。
相続専門の税理士事務所、税理士法人などは、この2年間大幅に拡大傾向にもあります。
金融機関と”共闘”して、相続対策の必要性を大アピール。
それに煽られた富裕層が、金融機関や税理士事務所に駆け込んでいるわけです。
大幅増税になってから資産防衛を企てても、後の祭りになりますから、相談するのは当然でしょう。
そのため、資産税を得意とする税理士が、おおいにその職域を伸ばしているわけです。
しかし、資産税に弱い税理士は、これまで同様、依頼が来た時には、得意な人に業務を依頼。
大きな相続案件があった時には、一部紹介料をもらうだけの紹介業務で終わってしまう。
ところが、今回の大増税では、東京圏などの場合、申告が必要な案件は50%にも上ることに。
もちろん、相続税そのものは発生しなくとも、小規模宅地評価の減額を受るための申告などの出る。
ですから、現在高齢で事業を辞めようとしている事業主であっても、将来的には相続税が発生。
その時に、確定申告を依頼していた税理士に相談を持ち込むことになるのだろうか。
これまでの経験からすると、相続人が親の税理士に依頼しない件数が、かなりの数に上る。
というのも、相続人の知り合いの税理士に依頼したほうが、話が早いからだ。
そこで、親の税務申告を担当していた税理士が事業承継した場合のことを考えてみると。
承継側は高齢で事業を辞める税理士のお客さんは、廃業するケースもあるし、元気もない傾向にある。
事務所の評価も下がるが、相続税大増税により、将来のお客さんを手に入れることになる。
その手当てをしっかりしておけば、一時的な顧客の減少にも対処ができる。
将来的なことに手を打つことが苦手な税理士業界だが、相続対策はまさに”今でしょう!”
相続関係の業務に対して背を向けていては、業績の尻つぼみは明らかです。
事業承継=相続案件の将来的な顧客獲得、こんな数式が考えられますね。
やるべき事務所は2年まえからその手を打っていますが、遅くはありません。
何しろ、お客さんを一番よく知っているのは、付き合いの長い先生ですから。
事業承継支援室長
大滝二三男