自分の作り上げた財産を子供たちに継いででもらいたいと考えるのはどんな親でも当たり前。でも、資格ビジネスとなると、そう簡単には引き継げるものではありません。
税理士事務所もその一つ。数年前まで会計と法務の大学院の修士課程を修了し、修士論文が通れば無試験で晴れて資格を取得できたのだが、制度改正で会計と税法では法人税か所得税のうち一科目の試験に合格する必要に。
それだけになかなかダブルマスターでも資格まで手が届かないというケースも出てきている。それはさておき、数年前にダブルマスターを経て資格を取得したものの、税法が分からずとんでもないことになっているケースも報告されている。
資産税を主力に仕事をしている先生から、ダブルマスターで資格を取った先生の相続税の申告をチェックする機会があり、その際とんでもない、基本的な間違いを発見。有力事務所の御曹司のその仕事はとんでもないとのこと。
そのおかげで依頼された資産家には相続税の還付ができ、大いに喜ばれたと言うが、そんな申告書を出さざるを得ない税理士に対しては大いに憤慨。父親のの税理士は何を考えているんだと、その父親にもとばっちり。
でも、大学院を2つでて、資格を取得した人も親の期待がなければ税理士にもならなかっただろうし、こんな苦労もしなくて済んだはず。もちろん、大型事務所を引き継ぐには資格だけではなく、経営能力がなければならず、子供も苦労しているのです。
もちろん、資格を取ったから親の仕事を継ぐ人もいれば、都会の事務所に勤務して地方の親の事務所を継がない人も増えています。親は子供のためにがんばってきたのだからと訴えますが、今は時代が違うようです。
同じ会計業務でも、ベンチャー企業の若手経営者と丁々発止の議論ができる都会で刺激的な仕事に就いていたいというのも納得できます。西欧のように学校を卒業したら家を出て、独り仕事士、家庭を作るという形にも近づいてきたのかも知れません。
そんなわけで、子供が都会に行きたい、帰ってこない。同じ業界にいるのにと、事業承継で悩んでいる多くの先生方も相談されます。これには、最善、次善の策を考えてご相談に乗っているのが弊事業承継支援室です。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。