ご自身の病状が悪く、税理士業務も限界であることを知った税理士さん、信頼できる後継者探しを依頼。
地方都市のため、支部の千世では満足できずに、当支援室に相談。
早速出かけてみると、首にコルセットを巻き、歩行も足元がおぼつかない状態。
それでも自宅から事務所までは車を運転して、毎日出勤しているという。
数少ない顧問先だが、顧問料はかなりの高額。その理由を聞いてみると、納得。
つまり、顧問先企業の創立以来、経営そのものの在り方なども、懇切丁寧に指導。
税務署にも顧問先の経営状態まで詳しい解説付きで、申告書を提出。
税務署が疑問に持つと予想されることを、詳細に文書にしているので、ここ10年調査はなし。
税務調査があった時も、なんと税理士事務所での調査。書類等もすべてそろえて調査に応じた。
それ以後は、問題になりそうなことは税務申告書に書類を添付しているので、すべてクリア。
書面添付を行っているから税務調査はほとんどないという先生も多いが、その上を行っている。
このような税理士さんの後を引き継ぐ先生はこれまた大変。
高額な報酬をいただくためにも、譲り渡した先生以上の仕事をしないと、顧問先から見放されてしまう。
しかし、20年以上付き合ってきた顧問先を引き渡す先生は、各顧問先にしっかりと引継ぎ理由などを説明。
ご自身と同じような体制で仕事を任せられる後継者であることを、文書(手紙)で説明。
手紙を読んだ顧問先の社長が担当者を伴って、「先生の考え通りにやりますから」とわざわざ来所。
普通は、後継者とともに顧問先を訪問するものだが、生憎体調がすぐれないので、その分文書に力が入った。
結果はほとんど”死に体”の個人事業者を除いて、すべての顧問先が後任の先生と契約。
「これで、心置きなく、次のステップ(入院そして手術)に進めます。」さわやかな表情で契約完了。
こんな形で引継ぎが終了後に契約できたのも、当支援室では初めての経験。いい勉強でした。
事業承継支援室長
大滝二三男