先週トヨタ自動車の常務さんが記者会見で、ハイブリットカー・プリウスのブレーキのききが悪いのは一時的なもので、しっかり踏み込めば車は止まりますと言っていたが、正直、「オイ、オイ、本当に大丈夫かよ」というのが素直な感想。
トヨタの最高級車レクサスが米国において、この2、3年でブレーキがきかなくなり、何と19人も事故死しているという報道もある。幸いこの事故の問題点は今では改善されているが、その対応のまずさのため、トヨタへの米国内での信頼が地に落ちつつあるという。
世界ナンバーワンの自動車メーカーになった途端このような問題が次から次へと出てくるのはどうしてなのだろうか。日本人の性格なのだろうか。追いかけているときは本当にすばらしい、誰もが賞賛する体制を作っているのに、なぜ、トップの座についた途端、直ちに凋落の道を進むのか。
自動車業界で世界ナンバー1の地位にあったGMが倒産し、公的資金を注入した米国政府の焦りがトヨタへの強烈な対応に現れているとも言われ、事実、カナダのマスコミは米国のトヨタに対する姿勢は改めるべきだと米国の横暴さを批判する論評を加えている。
だからといって、トヨタの対応のまずさを見逃すべきではないだろう。レクサスでも、プリウスでも自らの間違いを認め、直ちにリコールしていれば今回のような事態にはならなかったはず。やはり、リスク管理が十分ではなかったことは明らかだ。
ブレーキのきかない車はまさに凶器。米国ではレクサスでブレーキのきかない車を運転し、190キロ以上のスピードで走りながら携帯電話で助けを求め、生き地獄を経験し、最後は交差点で事故となり、死亡した運転手の声が何度も何度もテレビで報じられているという。
プリウスではこの1月から出荷している新車にはブレーキは改良しているという。利きが悪くなることを知った段階で直ちにリコールなどをすることはできなかったのだろうか。それとも分からなければ、車検の時に直してしまおうと考えていたのだろうか。
今はそんな時代でないことを知るべきだ。
”大政奉還”により、豊田家に社長の座が移ってこの事態。事業承継の難しさはいつの時代でも同じだが、何もこんな時に次から次へと問題が起こるとは、豊田家のご先祖様も草葉の陰で、その不運を嘆いていることだろう。やはり、車はエコより何より、安全が第一。
事業承継支援室長
大滝ふみお
でした。