今年も初盆を迎えた方がいらっしゃいます。
私も税理士事務所の事業承継のお手伝いをして7年、多くの先生方を見送ってきました。
そして、今年も数人の先生の初盆を迎え、考え深いものがあります。
お会いした先生方は、不治の病を告げられ、家族や従業員を思い、事業承継を決断されたケースも。
しっかりと顧問先の引継ぎも行い、すべての業務から離れて、静かに去った先生もいらっしゃいます。
なかには、若い先生に業務を引き継ぎながらも、一緒に事務所を盛り立てる中で、他界された先生も。
「立つ鳥跡を濁さず」と言いますが、何事も憂いなく、去って行かれた先生はいらっしゃったでしょうか。
ご家族のことまでは分かりませんが、たぶん何らかの思いを残したまま、無念の思いで逝かれた方も。
しかし、お手伝いできた先生方は事務所に関しては、遺された皆さんが安堵されています。
先生が死亡されるまでに何も対策をやらなかった事務所では、多くの場合、職員も職を失っています。
お客様との信頼関係が強かった職員の方々は、自ら就職先を見つけることができます。
そのようなリクルート活動ができるのは、ごく少数。内部事務を担当していた職員は行く先がありません。
現在の経済状況では、それも仕方のないことですが、事業承継ができていれば、これも防げます。
顧問先は減少しているとはいうものの、一挙に顧問先がなくなるようなことはありませんから、働く道はあります。
しかし、しつこいようですが、これも、事業承継対策ができていた事務所での話。
先生が何の手も打たずに、入院、そして帰らぬ人になった時には、職員の行先は自らが探すしかありません。
職員が勝手に次の事務所を探し、顧問先を持っていくという話がありますが、これはしようがない話。
先生が死亡した途端に、顧問先との契約関係は解消しますから、職員が持っていこうが何ら問題なし。
もちろん、道義的な責任は別にして、先生の遺族が就職の世話を焼いてくれるわけではないですから。
いずれにしても、高齢化する税理士の先生には、お盆の季節こそ、もう一度、事業を見直していただきたい。
経営者としての職員の生活を背負っていること、あの世では解決することはできませんので。
この新旧お盆に、初盆を迎える故人の冥福を祈りながら。合掌。
事業承継支援室長
大滝二三男
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