東京都内に本拠を置く弊社ですが、ご相談を含め、全国から面談の要望が来ます。
「日本全国どこへでも行きます!!」と、標榜している以上、ご要望があればすっ飛んで行きます。
そんなわけで、とにかく飛行機や列車・電車に乗っている時間は、面談時間の数倍になります。
となると、その時間は何をしているかといえば、寝ているか、新聞に目を通し、本を読んでいます。
税理士さんを相手にする仕事だから、経済関係のものに目を通しているとお考えかもしれません。
それが経営に関するものには目を通しません。
プロを相手にする商売ですから、そのプロが読んでいるものを読んでも、話にはなりません。
先生が「あの経営書は非常に参考になったよ。」と言われた時に、「いや?そうですか?先生」
そんな反応をし、先生の機嫌を損ねたら、進む話も進まなくなってしまします。
最も出が、経済関係ではないので、経営問題を話しても底が知れてしまいます。
話をするのは、これまでにお会いした先生方の”これは”という話が中心。
さらに、人となりを描いた、いわゆるノンフィクションを読む機会が最も多いのも事実。
それも、成功話より、失敗談の方を圧倒的に読みます。
一昨日から、福岡そして大阪を回ってきましたが、この移動中に2冊の本を読みました。
一冊は、朝日新聞に連載された「紅の党 完全版」、現状を含めの中国の権力闘争をえがいともの。
もう一冊は、東日本大震災をテーマにした『遺体』を書いた石井光太のはじめての小説『蛍の森』。
これまでにノンフィクション作家として貧困や戦争などを書き続けてきた、石井氏の作品。
ハンセン病(らい病)の患者の差別された歴史的テーマを、著者初めての小説で書き上げたもの。
まさにミステリーの舞台設定をしながら、読み物として圧倒的な重量感のある作品を作り上げている。
じつは、帰りの飛行機の中、そして電車の中、そして電車を降りてからも歩きながら、読み続けてしまった。
白髪の親父が、本を読むながら道を歩くなんて、後で考えると、恥ずかしい限りだが、とにかく読んだ。
この仕事をしている時に、やはり、事業承継のコンサルを依頼される先生方にはそれなりの弱みもある。
そんな先生方のお考えを知ろうとするときに、多くの経験をするためにも、どうしても本を読まねばと思う。
生まれて65年以上経つのだが、一人で経験できることは、ほんの一掴みのこと。
偉そうに先生方を説得するには、それなりに自らを元気づけなければできないこと。
そのためにも、多くの体験をさせてくれるノンフィクションを中心に、どうしても読まざるを得ない。
今回夢中で読んだ『蛍の森」(新潮社刊1,785円)は、ミステリー小説が好きな人も十分堪能できる。
だからといって、事業承継の現場で、自分がこんな本を読みましたなんて、実はこれぽっちも言いません。
今回のブログでは、多分はじめてではないかと思いますが、自分が読んで感動した本を挙げてみました。
お勧めです!!
事業承継支援室長
大滝二三男