数十年の税理士生活で、後継者が育てられなかった70代の税理士さん、
数年後には引退する決意だが、職員のことを考えると、後継者が必要。
自分のやり方をすべて踏襲する必要はないが、やる気は必要と言う。
これまでの顧問先だけで満足されては、事務所は先細り。
若い力でお客さんを増やし、職員も新陳代謝が必要。
自分が先に事務所を去るが、顧客情報に精通した職員は守ってもらいたい。
もちろん、引き継いでもらう職員も定年までの雇用するのが、最低条件。
引き継いで事務所が拡大すれば、新所長より年下の職員も増える。
開業時は顧客ゼロ、日夜営業に精を出し、開業から2年で事務所を借りる。
その数年後には、職員5人の事務所になり、順調に顧客も増えていった。
リーマンショックまでには、職員も10数人を抱える事務所になった。
それまでに、税理士試験に合格した職員3人を輩出。
彼らは、税理士登録後1年以内独立、誰も残さなかったのは、所長の意思。
自分で事務所を作り上げるのが、資格者の゛宿命゛とばかりに、背中を押す。
10数年前までは、中小規模事務所の新資格者は、゛追い出されて゛いた。
だから、今回のように3人も税理士を輩出しても、誰も引き継がない。
独立した税理士が、勤務していた事務所を引き継ぐのは、皆無か。
先生の顧問先だけを引き継ぐ例は有るが、事務所は引き継がない。
職員とは旧知の仲だから、今さら上下関係で仕事をしようとは思わない。
事務所にベテランが残っていれば、ますますやり難い。
雇用主でありながら、職員に気を遣ってまで仕事をする気はない。
そんなわけで、゛卒業生゛は戻ってこない、だから若い後継者を探す。
実際は、もう無理なんですね、後継者を探し、自分が育てようというのは。
それでも、諦め切れない先生が、実に多いのです。
なんとか協力したいのですが、これまでに後継者候補を数件紹介はした。
でも、成功例は未だなし。
先生の思いが変わらない限り、ただ歳を重ねることになるのでは?
そんな気がする、若い税理士、後継者探しは。
事業承継・M&A支援室長
大滝二三男