そうなんです、後継者になるべき子弟が地方には帰って来ないのです。
親父様が30年以上かかって築き上げた事務所を、息子は継がないと言う。
親父さんの事務所には、自分が幼い頃に遊んでくれた職員がいる。
そんなベテランを使いきる自信がないし、自分の事務所を作っていきたい。
しかし、税理士事務所のなかでも、地方では最上位にある事務所。
その事務所を全くの他人に引き渡しても、息子は文句を言わないのか?
少々困難があっても、それを乗り越えて、継ごうという気がないのか?
親は虚勢はりがち
男親は息子と面と向かって話をすることが、苦手。
勢い、「継ぐ気があれば言ってこい」などと、虚勢を張りがち。
そんな父親から相談を受けたのだが、答えは先生自身が持っているはず。
ですから、相談を受けた当支援室の答は、「先生が、腹を決めることです」
まあ、腹が決められないから、相談しているわけだが。
その相談の答えが、「腹を決めろ」だから、先生の悩みは消えるわけがない。
後を継ぐと簡単には言えない
息子さんは、きっと親の跡を継ぐと考えているに違いない。
しかし、自分の仕事を評価してもらってからでないと、継ぐことは出来ない。
おむつを代えてもらったかもしれない職員に、所長として対応する。
一般企業であれば、社長の息子が跡を継ぎ、職員はその指示に従う。
同じように対応すれば良いのだが、所長と職員の距離は非常に近い。
一般企業のそれとは、比較にならない。
それだけに、簡単に「跡を継ぐよ」とは言えない。
お客さんも父親のお客さんであり、自分はあくまでも所長の息子。
先生の息子で、先生と言われるまでには、父親を乗り越えなければならない。
そんな苦労をするより、気軽に自分で事務所を作り上げた方が楽だ。
いまさら、生まれ故郷に戻って、継ぐなんて、できそうもない。
まとめ
そんな息子さんを無理矢理でも、連れ戻しますか?
それとも、腹を決めて、全くの他人に譲りますか?
実に難しい問題を、実は地方の先生は抱えています。
後継者候補がまったくいなければ、こんな悩みもないんです。
贅沢な悩みですなあ、と羨む先生は多いのも、今の時代の特徴ですね。