40年近くも税理士は自分一人で、事務所を運営してきた先生の特徴は?
この間、職員の中から税理士試験に合格し、独立した人はいない。
というより、税理士試験に挑戦する人は採用しなかった先生がいる。
なぜかと聞くと、「自分の都合で、休んだりするから。」???
試験日の10日前頃から試験休みを与える先生も多いが、この先生はなし。
勝手に休まれては、試験を受けない職員が迷惑するというのが、その理由。
さらに、試験に合格して、居続けられたらコストも増える。
先生と言われる人は、事務所には自分一人で良い、とも言うのだ。
本当に良く言われることだが、普通は合格すると、独立を勧める。
もちろん、かつては独立の際には、貢献度により暖簾分けも行われていた。
税理士一人で事務所を運営しているケースでは、売上の上限は1億円程度。
このような事務所では、試験には受からないが、税法に精通した職員がいる。
資格者と同等の能力があり、コミニュケーション能力も十分備えている。
そんな職員が辞めた途端、お客さんが減っていくというのも普通。
かつてはこのような職員がいたが、給与負担が増えることで、辞めさせた。
そんなバカなことがあるのかと言われるかもしれないが、実際にある話。
自分以上に能力のある職員は、事務所にいては困るのだ。
先生自信が営業に精力を集中しているときは、このようなことは起こらない。
しかし、先生が内向きになったときには、思いもよらないことが起こる。
自分以上に職員間で゛人気゛のある職員の存在が疎ましくなる。
結果、その職員には辛く当たるようになり、職員もそれを感じ、退職に。
事務所のため、先生のために一生懸命働いた、その評価はこれかというわけ。
残った職員も゛明日は我が身゛とばかりに、仕事に身が入らなくなる。
チャンスがあれば転職したいと考え、同僚ともひそひそ話。
先生はそんなことには気が付かず、収益の悪化を気にする日々を送る。
売上がバブル期の半分になってしまったという事務所には、こんな傾向も。
もちろん、すべての事務所がそうだとは言えないが、ありうる話。
こういった事務所の先生が後継者を求めるときに、ある特徴がある。
事業承継を依頼するのではなく、後継者候補を探す動きをする。
過去に一度も税理士を迎い入れたことがない先生が、後継を育てられるのか。
それも経験が少ない税理士に我慢ができるのか、無理だろう。
「なぜこんなことが分からないのか」と、後継候補者を虐め抜いた先生がいた。
就職後一週間、毎日゛口撃゛、後継者として入所した税理士は即退職。
自分が虐めたことを認識することができず、紹介者も激怒。
なぜそんなに怒るのか、紹介者の気持ちも理解しようとしないし、出来ない。
結局、後継者を育成できず、資格者は゛評判゛を聞き付け、話にも乗らない。
実際こんな例はほとんどないだろうが、一人税理士事務所には有り得る話。
税理士を紹介してもいつかない事務所が多いのも、事実。
後継者を育てようという意識が必要だが、自らの指導力を知るのも必要。
俺の事務所だから、俺流を継いでもらわなければダメ。
そう考えている間は、優秀な後継者は現れないだろう。
今回は極端な話ですが、参考のため、独断と偏見で書いてしまった。
事業承継支援室長
大滝二三男