税理士事務所の経営者を父に持つ税理士が、故郷に帰った。
60代後半の父親が事業を承継させるために、東京から呼び戻したもの。
税理士法人で上場企業を担当していたため、要請には躊躇したのも事実。
故郷の町では、記帳代行中心の業務で、東京での体験は活かせそうもない。
そう考えると、父親の事務所を引き継ぐことに興味を覚えなかった。
しかし、歳を取っていく父親を見ていると、心苦しくもなる。
母親も家に帰り、嫁さんをもらい、父親の後を継いで欲しいと願っている。
税理士法人で難しい業務をこなすのもいいが、独立もしたい。
東京で開業することも難しいだけに、事務所を継ぐのも悪くはない。
そんなことを考えているうちに、何となく親の言うことを聞いてしまった。
しょうがなく、父親の下で仕事をしているが、先が見えてこない
それだけに、現在は心ここにあらずといった状況で、仕事に身が入らない。
実際に父親の引退時に、所長を任されるだろうが、YESと言えるだろうか。
ひょっとすると、事務所は継ぎませんと言ってしまいそうだという。
以上は、先日相談に来られた青年税理士の話をまとめたものだ。
コンサル中心の業務を担当していた若い税理士が、故郷に帰った。
そこでの仕事は、記帳代行中心の業務で、満足感が得られない。
収入的には事務所を継げば、東京での勤務税理士の数倍稼げるのは事実。
だからと言って、心が満たされなければ、どうなるのだろう。
不安ばかりで、今からでも事務所を離れ、東京に戻ろうかとも思う。
事業承継の手伝いをする立場からは、答えに困る内容だった。
両親とも息子さんが帰り、ほっとされているだろうが、お子さんは、、
もちろん、短時間の相談で十分な解決策が出せるわけではない。
しかし、この若き税理士の悩みは深い。
後継ぎがいていいねと言われ、満面笑みの所長は息子の悩みを知らない。
ある日突然に、東京に戻ると言われたら、果たして、その反応は?
どなたか、この悩みを解決できる解答を教えていただけませんか?
事業承継支援室長
大滝二三男