税理士事務所の経営は、記帳代行と税務申告と考えているのが普通。
個人事務所では規模にもよるが、報酬を手にするのは保険業務が主力。
対価を求めない業務も当然行っているが、これはまさにサービス。
保険以外の付加価値ビジネスを提供できる事務所は、少ない。
というより、派生するビジネスは考えていないのが、普通だ。
それというのも、通常以外の業務を抱え込みたくないと職員は考えるから。
余計の仕事で利益を生んでも、職員のフトコロに還元されない。
これは、顧問先を獲得しても一時的な報酬だけで、生涯反映されない。
どう頑張っても、その結果は経営者・所長の腹を太らせるだけ。
そうなると、付加価値ビジネスにも上の空となるのは必定。
それでは、そんな慣習を打ち破るためにはどうするのだろう。
報酬を分かち合い、組織的にも認識を共有する、それが答えになる。
所長が利益を分かつというより、事業の利益を分かち合うと考える。
職員が働かなければ利益は出ない、働かせるのが所長の役目。
その意識がない所長には、付加価値ビジネスはできないだろう。
笛吹けど、踊らず、そんな状態で収益が上がるはずがない。
しかし、職員が報酬だけで動くだろうか?
例えば、経営計画を策定し、それに従って顧問先が成長する。
毎月、経営計画のストーリーをチェックし、決算時には計画達成。
顧問先も事業の成長が、税理士事務所担当者に見えれば、どうだろう。
顧問先と共に作成した計画の達成で、職員は十分満足するだろう。
さらに次の施策を顧問先に提案し、受け入れたら、大満足。
顧問先が事業に成功し、さらに発展する、それこそ担当者の喜び。
でも、そこには当然事務所の正当な評価がなければ、雲散霧消。
所長の仕事は本当に難しいですね。でも、お金の話だけではありません。
共に共通認識で仕事ができること、それが肝かもしれません。
そんな業務を展開している事務所が、実は大きく成長しています。
近い将来、税理士事務所の合従連衡で業界は大きく変わります。
その時生き残っているのは、果たしてあなたの事務所ですか?
事業承継支援室長
大滝二三男