従業員が50人を超える税理士事務所(法人)は、都内でも数えるほど。
それでも5年後には、300人事務所が数ヵ所できると言われている。
1事業所が経営者の力で、一気に300人体制まで成長しないだろう。
現在成長を続けている事務所の経営者も、そんな状況にはないと断言。
そう口にしながらも、300人体制実現が存続の必要条件と言う。
具体的な方策を訊くと、法人同士の経営統合の条件が整うこと。
同じレベルのサービスを提供する法人なら、統合のハードルも低い。
公認会計士が主宰する法人の場合は、同業者の情報は比較的取りやすい。
というのも、監査法人時代の先輩や後輩から、話が聞けるからだ。
また、客層も重なり、相見積もり相互に情報が飛び交うこともある。
同時に、ライバル同士の経営者が、情報交換をする機会も増える。
監査法人の合従連衡の歴史を知るもの同士だけに、統合には抵抗も少ない。
自らの法人が生き続け、職員の職場を守ることを常に考える習慣がある。
後継者が育ってくればいつでもバトンタッチする、その気構えもある。
年齢的に経営者として厳しい環境になれば、次の手を考える。
このような条件が整えば、法人同士の経営統合は一番現実的な解決法に。
300人体制を維持するためには、一人の経営者だけでは組織は回らない。
統合した経営者たちが役割を分担して、組織強化を継続する。
統合時には従業員も経営感覚は分からないが、組織が人を作る。
ライバル同士と考えていたのは経営者だけで、従業員にその意識はない。
それだけに従業員・職人は、組織が拡大しても自らの職責を果たす。
経営者人が組織運営の注力すれば、ますます組織は強化される。
こうなれば、提供できるサービスも万全となり、顧客満足度は高くなる。
もちろん、良いことだらけではないが、努力の甲斐はある。
経営者も゛卒業後゛も安心して余生を送れるというもの。
税理士事務所の経営者にも、そんな道筋が作れることを証明できる。
さて、そうなるまでどれ程の時間がかかるのか?
しかし時間は待ってくれないが、実はもう動きは始まっている。
公認会計士・税理士のみならず、時代に先駆ける税理士が動く。
事業承継支援室長
大滝二三男