税理士事務所は所長の思いで、人も雇うし、時には解雇もします。
ここ数年は、雇いたくても良い人材がなかなかいないという。
業種としての悩みかもしれないが、そうとばかりには言えないようだ。
欠員が出たからと、ハローワークに募集広告を出しても、人は来ない。
会計業務を一から教えようとするには、教える側も学習が必要。
教わる側に、その気がなければならない、教える人も熱は入りません。
よく言われることですが、最近は我慢ができない人が多い、と。
真剣に人の話に耳を傾けようという姿勢も見られない。
怒られると、プイとそっぽを向いてしまい、耳を閉ざしてしまう。
他人に怒られることにも慣れていないのも、時代がそうさせるのか。
怒る側にも、愛情のかけらもない場合もあり、これまた問題。
しかし、そうは言っても、仕事を覚えてもらうためにも、怒る必要も。
事業承継にも、この問題は付きまとう。
日頃から仕事を任されていた従業員が、新経営者に怒られるとどうなる?
前の所長には一切小言を言われなかった、そんな事務所員にとっては大問題。
起こられる理由が分からない。相性が悪いのか?
そんなに怒られるのだったら、もう辞めてやる。
こうなると、怒る、注意することもできなくなってしまう。
前の先生のように、小言は言わないことにしようとも考える新所長。
しかし、それでは自分流の経営ができない。ストレスが溜まってしまう。
どうにでもなれ、とは思うものの、放り出すことはできない。
事業承継にはこんな場面もあるのだけに、引き受け手の心構えも大切。
当然と言えばその通り、お金を出せば良いというものではありません。
事業承継支援室長
大滝二三男