「友人に聞いたら、2年で半分になったと、嘆いていました」と言うのです。
とても信じられない話です。
余程、承継先の対応が悪かったのではないでしょうか?
原因は分かりません。
多分詳しい話は一切せずに、”半分”という言葉が独り歩きしたのでしょう。
承継希望者の場合、まずリスクを考えます。
承継の対価の額を少しでも低くするというのは、経営上賢い選択です。
多くのリスクを考えることにより、交渉の幅は出てきます。
譲り渡す側も、それに対して反論をします。
例えば、引継ぎに全力を尽くし、客離れがないようにするといった約束をします。
この約束がしっかり守られると、客離れはほとんど起きません。
つまり、信頼する後輩に顧問先をお願いすると言えば、お客さんも信用もします。
経営者が自分で開拓したお客さんには、それ相応の対応をしますが、引き継いだ顧客はどうでしょう。
信頼関係をまず作らなけいけないという、脅迫観念があります。
譲る側の先生の責任で、承継者への信頼を確立してほしいとも考えます。
お客さんはこれまで世話になった、信頼できる先生の選んだ人だからと、信用もするでしょう。
しかし、あまりの尊大な態度をとったり、客を大事にしない姿勢を見れば、客は離れていきます。
難しい選択ですが、一概にどれほどのお客さんが離れるかは言い切れません。
ただし、先生も残り、担当の職員も残った場合には、ほとんどのお客さんは離れません。
例外として、承継の際に職員が辞め、お客を持って他の事務所に移ってしまう場合は別です。
その辞める理由は、譲り渡す先生がご存じのはず。
そのような場合は、当然対価は減額されます。そうしなければ話はまとまりません。
ただし、1年後とか、2年後に顧客が離れるのは、承継した先生に原因があると考えられます。
サービス業・客商売は難しいですね。
事業承継支援室長
大滝二三男