先日、介護の仕事をしている経営者の方からの電話がありました。
いわく、60代後半の男性、「今後の10年の相続対策を指導してくれる事務所を紹介してほしい。」
できるだけ安く、かゆいところにも手が届く、相談がしたいのだがというのが、ぜいたくな要求。
さらに、国税当局の動きに詳しい税理士が、いいという。
早速、都内の某税理士法人を紹介。
昨日、相談に行ってきたという男性から、お礼の電話。
「お金を取ってほしいといったのだが、初回の相談は無料だと言って、どうしても取ってくれなかった」
しかし、大満足のようで、今後はその税理士法人に有料の税務対策をお願いするという。
相談というと、自分の聞きたいことだけに集中し、不利になるような要件は言わないのが常。
この男性がどのような話をしたか分からないが、税理士法人としては見込み客ができたことは確か。
相談に対応した税理士が女性であったことも、気分を良くしたようにも聞こえてきた。
それにしても、ひょんなことから相続対策の話がでてきたが、庶民も大増税を感じ始めたことが明らかに。
それだけに、相続専門の事務所が活況を呈し、女性だけの舞台を設けている法人も出てきている。
なかには、相続税に関する報酬を大幅に値下げし、大々的なPRをしている法人も。
相続の専門家のいない税理士事務所でも、タイアップをしてその場をしのいでいるのも事実。
しかし、税理士法人で相続部隊を持っていないところは、大きな機会損失になるだろう。
記帳代行や税務書類の作成などで、報酬を増やすことはなかなかできないのが現状。
それだけに、相続が分かる専門家の育成にも力が入るところだ。
今回はちょっと税理士事務所の事業承継とは若干テーマが違いますが、お許しください。
事業承継支援室長
大滝二三男