今から40年ほど前、横川電機の社長で、全国法人会連合会の会長だった山崎巌氏にインタビューした。
その当時、東京法人会連合会が協栄生命(?)との間で経営者大型保障制度をスタートさせていた。
その保険の売り上げは毎月右肩上がり。事務局の鼻息も荒かったが、手綱を取る会長の捌きも絶妙。
その実直な山崎会長の言葉で今でも残っているのが、「会社は公器です。経営者のものではありません」の一言。
口の悪い人は、山崎会長は創業社長(奥さんが創業者一族)ではないから、そんなことを言えるん、だとか。
しかし、その山崎さんは社長の椅子に固執することなく、経営状況もいいときに後任に席を譲っている。
山崎会長そして黒田専務が敷いた財政基盤を拡充する策としての経営者大型保障制度もその後急成長。
もちろん、経済成長大躍進の時期だったこともあるが、そこには「会社は公器」との会長の言葉が生きている。
社長にもしものことがあり、その手当てをしていなければ、従業員そしてその家族が苦境に陥る。
社長は自らが公的な人間としてふるまうべきだあり、その責任があると断言されていた。
今の時代、わが業界の経営者である税理士たちはどうだろう。公的な役職に確かに着いてはいる。
しかし、果たして公的な人間として、自らの経営する事務所を見ているのだろうか。
あくまで”家業””私業”として、利潤を追求しているのではないだろうか。
事務所経営を辞める時のその立ち位置がはっきりする。
なかなか公的な存在を感じさせてくれる人は少ないのが現実のようだ。いかがでしょう。
”公的な人間””企業は公器である”そんなことは今では通用しないよ、なんて聞こえてきそうな気もする。
事業承継支援室長
大滝二三男
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