実はよくある話です。
娘さんが税理士と結婚。幸い(?)勤務税理士で、跡継ぎではない。
しばらくは、勤務税理士を続け、お舅さんとの関係も良好。
盆や正月には二人揃って、娘さんの実家に帰省するのが常。
そうこうするうちに後継者がいないお舅さんは、後を継ぐよう話す。
娘夫婦は当初からそのつもり。父親が言い出すのも待っていた。
双方の意思が合致し、婿さんも晴れて後継者として入所。
そこまでは実に順調だったのだが、婿さんは無口なタイプ。
如才なく、お舅さんのご機嫌を伺えるところまで行っていない。
しかも嫁さんの父親が所長なだけに、実務でも頭が上がらない。
というより、所長の判断に間違いがあっても、大声で指摘はできない。
家庭に戻ったときに嫁さんに愚痴ること頻り。
仕事を任されるようになっても、所長とは意思の疎通が不能に。
口数の少ない婿さんの気持ちが分からない所長は、疑心暗鬼にもなる。
果たして自分の事務所を任せて良いものだろうか?
婿だから、娘さんのことも考え、職員に比較して高い給料を出している。
それなのに自分に対して、反抗的な態度を取るのは何故だ!
仲間の税理士の相談することもできないと考えてしまう。
回りの税理士たちから、後継者ができて良かったと羨まれるだけに。
婿と舅の関係に大きな溝ができてしまう、これを解決できるのは誰?
意固地になってしまった両者の言い分を素直に訊けるのは、娘さん?
婿さんには、後継者になることを諦め、他の事務所に移る選択もある。
それでは娘さんと実家との関係もしっくりいかなくなる。
父親の対応次第で、家族の糸がプッツンと切れてしまうこともある。
そう、こんな相談もあるんですね。正に人生相談、手に余りますね。
でも、精一杯、所長さんの話をお聴きします。
どうか勇気をもって、どなたか第三者にお話ください。
解決策は、先生に話のなかに必ずあります。
事業承継支援室長
大滝二三男